まえをむいて。

2009年にロースクール卒業。 司法試験受験回数0回。 平日は7歳と10歳の子育てをする主婦、 週末は仕事、をしつつ、 予備試験・司法試験合格を目指しています。 いまから、ここから、はじめます。 まえをむいて。

すべてを懸けて。

 

父の命日。

心がすーっと落ちていく感覚がする。

海におとしたカナヅチみたいに、静かに下に下にと沈んでいく。いつもそうなる。

 

「悲しみを乗り越えて」とか

「いつか辛い気持ちも癒えるから」とか

気遣いのお言葉をいただいてきたけれど、

そういうものではないんだよなぁ、と心がそっぽを向く。

 

それに加えて、

励ましの言葉の前につけてくださる、

「自分にはあなたのような経験がないから、わからないけれど…」という枕詞にも、

私に向けられた発話者からの

〈「そんな経験をしたあなたは可哀想、お気の毒」という不必要な哀れみや、

「自分はそんな経験をしなくてよかった…」という発話者の内心にある安堵感〉が一気に伝わってきて そのたび ちくちく胸が痛むのだった。

 

そんななか、何も言わないひとがいた。何も言わずにそこにいて、私が何か話すと うんうん、と丁寧に話を聞いてくれるひと。

あと…父が他界したお正月に『あけましておめでとう。こんなこと言うと不謹慎やと思うけど、でもやっぱり「あけましておめでとう!」って、気持ちで 明るいほうを向いていってほしいねん。ほんまに応援しているから。』とメッセージをくれたひともいた。

 

父が他界して以来、

ぐっと固く閉めていた心の蓋が

ふわっと浮いて 風が通り抜けるような感じがした。

 

 

きれいに整ってるけど 温度の無い「言葉」。

と、

どんな形をしていようとも

 心の奥の方にまで染み込む 温かく優しい「想い」の宿った「言葉」。

 

その両方に時を同じくしてふれた経験と感じた気持ちを、ちゃんと心に留めて ひとと向き合いたいと思っている。

 

辛い、悲しい、苦しい…

そのような状況にあるひとと 多く出会い

まっすぐに向き合っていく仕事に就くことに、

なかなか自信と覚悟を持てずにきたけれど

このごろは、

父と会えなくなったあの日から積み重ねてきた

選択や日々が 力を貸してくれる気がしている。

 

弁護士は全人格をかけて行う職業だ、

とよく聞くけれど、

自分を構成する一部分だけでなく、

すべてを懸けて

物事にあたることができる仕事に就くことができたら、

それほど幸せなことはないよなぁ…と考える。

 

 

きょうも、あの日とおなじ高く澄み渡った空だ。

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勉強机からの風景。

 

 

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