まえをむいて。

2009年にロースクール卒業。 司法試験受験回数0回。 平日は7歳と10歳の子育てをする主婦、 週末は仕事、をしつつ、 予備試験・司法試験合格を目指しています。 いまから、ここから、はじめます。 まえをむいて。

まずは「型」を身につける。

 

授業で なにを話しているのか、まったく わからない。

わかるようになるために 

どこから手をつけたらいいのかすら、わからない。

という絶望的な経験をはじめて

(2度目は大学の経済学の授業。3度目はロースクールの民法の授業。毎度まいど いと辛し…)

したのは、高校一年生の数学の授業でのことだった。

 

通っていた高校では、

一学期の数学の成績を受けて 二学期以降は

アルファ(基礎)、ベータ(応用)、ガンマ(発展)の

3つのレベル別にクラス分けされることになっていた。

 

この高校の素晴らしいところは、

一学期の数学の成績順に生徒を並べて

レベルが上の生徒から順に

発展、応用、基礎クラス、と学校側が決めるのではなく、

生徒にそれぞれのクラスの基準点を参考として提示するだけで、

あとは

生徒自身が自分の成績とクラスの基準点とを見比べて

自分に最も適すると思うクラスを

自分だけの判断で選択できることにしてくれていたことである。

 

自分はというと 基礎クラスのなかでも

下の方ではないか、という成績だった。

ただ、発展クラスの先生がとてもわかりやすいと聞き、

現状を変えたい一心から

基準点を大きく下回りながらも 発展クラスに希望を出し

ありがたいことに受け入れていただいた。

 

この発展クラスの先生が その後の

自分の勉強方法の礎を築いてくださることとなる。

 

 

 

高校一年生になりたての頃。

数学がわからなさすぎて、

通っていた予備校の講師に質問に行ったことがあった。

彼は講師室に響く大きな声で

「もうすこし考えて、どこがわからないかはっきりさせてから質問にきなさい。」と

激しく嫌な顔をして、質問に答えず突き返してきた。

どこがわからないかを、どうしたらわかるかが

わからないから 質問にいったのに…

自分のレベルでは質問することすら許されないんだな…と、

ひどく傷つき心が折れた。数学とも心の距離ができた。

 

しかし、高校の発展クラスの先生は違った。

「この問題がわかりません。」と、

解き方はもちろん

考え方のとっかかりすらつかめていない状態で

真っ白のノートを広げて質問に行っても、

「わかりました。どうぞ。」と

どんなにレベルの低い状態で質問にいったとしても

常に 快く受け入れてくださった。

 

先生は質問を受けると かならず

A3サイズのまっさらな紙を一枚 机に出し、

「見ていてくださいね。」といって、

一から問題を解いて解答まで辿り着くまでのすべての過程を 

その一枚の紙に書き出しながら 目の前で見せてくださった。

 

毎日、まいにち。放課後は質問に通い

先生が 解答に辿り着く過程を見て、

自分もそれをそっくりそのまま真似をして

再現するようにして同じ問題を解く、

ことを繰り返していくうちに

自分の数学の成績に変化が起きた。

 

高校3年間を振り返ると、

発展クラスの基準点には安定して到達できるようになっていたし、

数学は医進の塾に通うほど好きになっていた。

 

自分があの絶望的な場所から抜け出せたのは、

発展クラスの先生が 数学の解き方について

なにも持っていなかった自分に対し、

繰り返し、繰り返し、

『型』を教え込んでくださったからだと思う。

 

問題と対峙したとき

問われていることに着眼するにも、

解き方を思考するにも、

まずは土台となる『型』が必要である。

 

学ぶの語源は「真似(まね)ぶ」と聞いたことがあるけれど、

まずは できている人(できればその過程も含めて自分が良いと思える人)のやり方の『型』を、

自分の中に叩き込んで取り込むことから始めること。

それが、次の段階に着実に進み

さらには発展させていく方法として

優れたものであると 以後の経験からも思うのである。

 

 

法律に関しても同じ。

憲法でいうと、

『誰のどの権利が侵害されているのか』をまず明らかにすることとか、

民法でいうと、

『誰に対してどんな請求をしたいのか』を双方の立場から可能なだけ考え出すこととか、

場面により いくつか存在する思考の『型』があることを知ってから、

また、答案の書き方の『型』のイメージができるようになってから、

なにをどう考え書いたら良いかわからなかった状態から、

だんだんと問題演習のやり方がわかるようになった気がしている。

 

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いまもなお『型』を自分のなかに増やしているところ。

 

 

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