多角的な視点で。
小学生だった頃。
習い事に向かう車で 窓のそとをみながら
流れてくるラジオをぼんやり聴いていた。
話者が最近読んだ本の内容と感想を紹介する番組だった。
そのときは たしか…『裁判官のプリズム』とか言う題名の本を紹介していた。
(Amazonで検索してみたけれど該当なしでした…ざんねんなことに正確な題名が不明です。)
普通にみていたら一筋の透明な光なのだけれど、
裁判官というひとは、その心にプリズム
(※プリズム・・・太陽の光をガラスのプリズムに当てると、虹のような光の帯が現れます。
これを太陽光のスペクトルと言います。
白く見える太陽の光は、実はさまざまな色の光が混ざっていて、プリズムに通すことでそれが分けられる仕組みです。)
を持っているので、
ひとつの事実を多角的に観察、分析し、もっとも妥当な結論を導き出すことができる…
というようなことを話していた。
自分の頭のなかを車窓から眺めたままに流れていた景色が、
一瞬にして 透明な光がプリズムを通過して
虹色に彩られる理科の教科書でみた写真に切り替わった。
裁判官って、法律家って、なんてすごいのだろう…
かっこいいなぁ。素敵だなぁ。と幼心に思った。
法律を学んでいて、憲法、民法を学習しているときにも感じたけれど、
いま刑法を学習していてとくに感じるのは
自分の視点をあっちゃこっちゃに移動させながら、
思考し結論を紡ぎ出すことの繰り返しだなぁ、
こりゃ何かの修行みたいだなぁ、ということである。
勉強開始後ほどなく 思考の負荷がおおきく
頭から煙が上がってくるのは私だけだろうか…
自説だけを固めて突き進んでいけばいい、というものではないことを、
いくつもある考え方、諸説から、正誤の判断を迫られるたびに 突きつけられるのである。
短答式の問題演習はページをめくるたびに
「うぅ。めんどくしゃいなぁ…」と思うのだけれど、
この視点の転換とそこから進める論理的思考の繰り返しのさきに、
『法律家のプリズム』があるのかしらん、と
さきほどふと思ったので、休憩をかねてここに記してみた。
さてさて。続きをがんばります。
プリズム…ひょっこり足元に落ちていないかなぁ。見つけたら秒で拾うんだけどなぁ。