まえをむいて。

2009年にロースクール卒業。 司法試験受験回数0回。 平日は7歳と10歳の子育てをする主婦、 週末は仕事、をしつつ、 予備試験・司法試験合格を目指しています。 いまから、ここから、はじめます。 まえをむいて。

「信頼」をいただくこと。

 

夫は たまにサバを読む。

それも若い方向にではなく 年齢を重ねる方向に。

実年齢がわからない…

と ときどき真剣に

自分の年齢を数えている夫の姿に お腹を抱え笑いながら、

同い年の自分には 夫の気持ちが すこしだけ

わかる気がしていた。

 

 

自分が認識する『自分自身』とそれに見合う扱い、

というものを 他者から受けることができていないな…

と感じることが度々ある。

 

自分のことをよく知る他者からは

そのような扱いは 決して受けないため、

あまり自分を知らない または

知りたいとも思っていない他者から

そのような自己認識から大きくズレた扱いを受けるたびに、

ちいさく驚き 深く傷ついてきた。

 

学校でも、バイトでも、仕事でも。

外面的な自分に対する他者からの印象を目の当たりにしては、

「もう いやだ…。

誰も自分をありのままに見て 正当に評価をしてくれはしないんだ。」

と、心のトビラをぱたぱたと閉めて 丸まってきた。

 

そのように感じた場面を 実にあらゆる場所で

たくさん経験してきたのだけれど、

いま思い浮かぶなかで

その後の自分の選択に

すくなからず影響を及ぼしたとの自覚がある

出来事をひとつ記すことにする。

 

 

ロースクールに入学して最初の成績発表の日。

相対的に良い成績をおさめたことがあった。

自分の法律知識はどのクラスメイトより劣った場所からのスタートだったため、

他のクラスメイトの中には

「え?なんで、このひとが こんなに良い成績を?」と

自分の成績の評価に対して

意外に思う方もいらっしゃったようである。

おそらく。

「法律知識」は少なくても「書くこと」は得意だったため、

そのときの好成績というのは、

法律に関する力への評価ではなく、

自分の書く力への評価だったように思う。

 

成績表の内容をひととおり確認し 帰ろうとしたとき、

自分の成績を見た クラスメイトにこう言われた。

 

「どうせ 教授に色目をつかったんだろう。」

 

全身のちからが抜けて ガクッとなった。

自分が一番 嫌忌している生き方を

この自分がいままさに している、と 言われたのである。

 

自分は そのようなことをする人間に

他者の眼には映っているのだろうか。

 

自分らしく ありのままに生きると(アナ雪…)

こんなふうに 他者は自分を評価するものなのか。

 

いつまでこの「本来の自分自身」と

「他者からみた外面的な自分への印象」との乖離に

苦しみ悩まなければならないのか。

 

ぐるぐる下向きの渦巻きに飲み込まれ ぽっと

浮上するときに出した解決策が

『そうだ!歳を重ねて 貫禄をつけよう。』

だった。

夫はどういった経緯でそうなったかはわからないが、

おそらく似たような理由で サバを読むようになったはずである。

 

自分は…それから約10年もの間 法律から離れる

という選択をする ひとつの理由になった。

歳を重ねたら、自分の能力や仕事に対して

「色目を使ったから」とか「上司に気に入られたから」とか、

本来の自分自身から乖離した、

根も葉もない評価は受けないだろう、と

期待してのことであった。

 

 

さあ。じゅうぶんに歳月を重ねた。

いまの自分はどうなっただろうか。

貫禄はついただろうか。ありのままの自分を

他者に正当に評価していただける状態になっただろうか。

 

答えは いいえ。である。

 

けれども、昔のように 悲しまないし 落ち込みもしない自分がいる。

それは、他者に自分を評価していただくことに対して関心がほとんどなくなったこと、と

他者と自分との関係は『評価』ではなく

『信頼』で支えられていくという体験したこと

がおおきく作用している。

 

ロースクールを卒業してから今日この日まで。

自分に対して『評価』ではなく『信頼』を

優しく あたたかく 手渡してくださった おひとり おひとりに、

深く頭をさげて 手を合わせ 御礼を伝える想いで

懸命に いままさになすべきことにつとめて

前に進みたいと思う。

 

 

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久しぶりに 夫に年齢をたずねたら

実年齢より若く答えた。

夫も ひと山こえたのかしらと、内心 ほっとする。

 

 

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